筑波から生まれる陽子線の未来

筑波から生まれる陽子線の未来

日本には、陽子線治療施設が10ヵ所(2015年4月現在)ありますが、現在の陽子線医学利用研究センターの施設は、1983年から治療をスタートし、2001年に国内で初めての大学病院内に併設された施設として稼働し、国内で最も多くの経験と実績を有しています。
大学病院という位置づけから、治療や人材育成だけでなく、今後の陽子線治療の発展に貢献すべく、さらなる治療装置の開発にも協力体制をしいてきました。
たとえば、動く臓器に対して毎回同じ位置に照射できるよう開発された「呼吸同期照射システム」は、今や世界でスタンダードなシステムとなっていますが、ここ筑波大学から生まれた画期的な照射技術です。
また、がん領域で世界トップレベルの研究・治療施設であるテキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター(アメリカ)で稼働している陽子線治療装置は、筑波大学の装置をベースに日立製作所と行った共同研究の中で生まれた装置です。
さらに、陽子線治療装置の分野で最先端の技術とされているスポットスキャニング法の中には本大学で研究され、実用化されたものもあります。筑波大学は本学における装置の高度化のみならず、世界の陽子線治療装置の発展に向けて様々な研究が重ねられています。

医学と物理学の連携が生んだ治療装置

陽子線治療に使う陽子線を作り出すためには、さまざまな装置から成り立つ巨大な設備が必要です。普段は見ることのできない陽子線治療装置をご紹介します。これらの装置のシステムが安全に稼動するように日々のメンテナンスがされています。

Linac ライナック

Linac ライナックライナック

陽子をはじめに加速する装置。ここで加速された陽子がシンクロトロンに入っていきます。

Synchrotron シンクロトロン

Synchrotron シンクロトロンシンクロトロン

陽子を一定の円軌道上で加速して、光速の約60%にまで加速する直径約7mの装置。
この速度まで加速すると、30数センチまで陽子線が届くため、
体の大きい人でも体内の病巣を治療することができます。

Rotary Gantry 回転ガントリー

Rotary Gantry 回転ガントリー回転ガントリー

高さ10m、重さ200t以上もあるドラム状の装置。
内側に照射口があり、照射室へとつながっています。
ガントリーを回転させることで、照射口が治療ベッドの周りを360度回転します。
当センターには2機設置されています。

加速器制御室では陽子線の安定供給を監視

加速器制御室では
陽子線の安定供給を監視

これらの装置で作られる陽子線が安定して供給できるよう、加速器制御室では常に監視しています。

呼吸同期照射システム

呼吸の影響を受けず、毎回同じ位置に正確に照射できるように開発した「呼吸同期照射システム」。

呼吸同期照射システム

呼吸同期照射システム

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